土壁ゲルPROJECT

2021年10月

遠く鹿島槍ヶ岳を望む長野県戸隠の山間地に、土壁でモンゴルの「ゲル」のような心を繋げる親和性のある円形建築を作ろうとしている人がいます。

その建物は小舞壁に屋根は茅葺で、一見すると、竪穴住居を連想するような建物です。
「身近にある素材とシンプルな手道具で皆んなで作る」をテーマに、自然エネルギーで循環する生態系の下で「みんなの居場所」を作ろうとしています。
地元の素材で、地元の「結」の力を復活させ次世代の茅葺をめざす若き茅葺職人や、農業体験に訪れる子供や家族が参加します。

その人「戸隠ゆったり庵」の諏訪さんは、いつも手を真っ黒にした自然農法家で風貌は哲学者、モンゴル式のゲルを自ら再現するビルダー建築家であり、蛍を呼び戻し子供らと祭を楽しみ、「ロハス」な暮らしを実践する思想家でもあります。
チベットやモンゴルに旅する作家で写真家の渡辺一枝さんのお声掛けで、ほんの少しお手伝する機会をいただいています。
都会で何事も揃った環境で建築に携わっている私としては、とても新鮮で刺激的な戸隠通いになっています。
コロナ禍でゆっくりと進んでいますが、楽しみな体験になりそうです。

 

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遠く雪に輝く鹿島槍ヶ岳 2021年4月22日撮影

グランドメゾン白金台5丁目

2021年08月

目黒駅から東に10分足らずのところに天然記念物の史跡指定を受けるような大きな森があります。

アールデコ様式の旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)を含む国立博物館付属「自然教育園」と言い、
江戸時代は大名屋敷でありましたが、明治大正昭和は白金御料地などとして全く人が立ち入るところでなかったため、
今や武蔵野を代表する四季折々の植物が自然のままに生育し、観察できる都心とは思えぬ深い森になっています。

「自然植物園」の東に沿って目黒通りから外苑東通り所謂「プラチナ通り」へ抜ける人知れぬ静かな通りがあります。
その通りの中ほどに「GM白金台5丁目」がこの度完成しました。
いまその窓からは西から北へ広がる森の四季折々の表情を心ゆく迄楽しむことができます。

計画は、地下住居3戸を含め全19戸の分譲マンションです。こぢんまりとした佇まいの中に「情緒ある品格」を漂わせたいという想いで創り上げました。

ファサードデザインの主眼はこの環境に共鳴する素材として「素焼きボーダータイル」を採用し、森と調和する色調/肌ざわりをとしました。

垂直材の「素焼きボーダータイル」と、各層を水平に分割する白色リブ付きスパンドレルと、
それらに分割された部分を大型ガラスサッシュ+バルコニーとして構成し、
北側にセットバックしたやや複雑な形態をリズムカルにデザインしました。

エントランスは自然教育園の緑が連続して入りこむイメージとし、そこにはクライアントの担当者の思い入れもあり、
アールデコ調のガラス工芸品を展示し、この地「白金」の歴史のイメージへにつなげてみようと考えました。


(担当:若田雄一朗
(撮影:エスエス東京)

 

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clm1_GM白金台5丁目外観南西面
外観南西面(左側自然植物園)

 

clm2_GM白金台5丁目外観北西面
外観北西面

 

clm4_GM白金台5丁目アプローチ廻り夜景
アプローチ廻り夜景​

 

clm5_GM白金台5丁目_風除室
エントランス・風除室​


clm6_GM白金台5丁目_エントランスラウンジ
エントランス・ラウンジ


clm8_GM白金台5丁目_LDK
住居・LDK


clm9_GM白金台5丁目_住居・玄関廊下
住居・玄関廊下

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 

代沢三丁目計画(グランドメゾン代沢三丁目) 2021年1月竣工

2021年07月

計画地「代沢三丁目」は、嘗て総理大臣を務めた佐藤栄作氏や竹下登氏等大物政治家が好んで住んだ、知る人ぞ知る住宅地です。

 

話しはそれますが、
思い起こせば、私の最初の住宅設計はこの「代沢三丁目」でした。当時は第三次佐藤内閣の終焉の時期1972年、
現役総理の家が同じ通りだったことを記憶しています。

知人の紹介のその施主はダムの制御装置を設計製作する会社経営者で、仕事柄先進的に省エネや断熱性を重んじる方で、
「サームコン」という気泡コンクリートを使って設計してほしいと依頼されました。
私はまだ設計事務所に勤めて3年ほどの時期、仕事を終えてからの深夜の格闘の日々が懐かしく思い出されます。

 

あれから50年近く残念ながらその建物は現存していませんが、今回の計画地は程近く、
昔ながらの屋敷森と、それらの跡地にマンション化された建物が混在しながらも、比較的
ゆったりとたたずむ閑静な趣は変わりません。

 

計画は東西南北4分割し120㎡の広さの角住戸のみの独立性の高い住戸配置としました。
地下1階も同様大型住戸とし、3方を緑豊かな木立のあるドライエリアで囲み閉塞感をなくし、
地下住戸と思えない住環境を作ることができました。

マンション化が進んだこの代沢三丁目、本来の邸宅環境を受け継ぐことを意識し、
グランドメゾンのブランドにふさわしく、自然石や季節を彩る木々の潤いに包まれながら、
スケール感を抑え分節化し、表情・肌ざわりを意識した素材で全体を創り上げました。

 

(担当服部創史)
(撮影:エスエス東京、宮川)

 

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代沢_アプローチ
アプローチ

 

 

代沢_エントランスホール
エントランスホール

 

 

代沢_住戸廊下
住戸廊下

 

代沢_居間

居間

 

 

代沢_主寝室

主寝室

 

 

代沢_3階居間からの景観

3階居間からの風景

 

 

 

 

 

目白4丁目計画

2021年04月

目白4丁目計画は、等価交換方式の建替計画です。

オーナーの住居と分譲マンションを2棟併設するため、
古くから住みこれからもここに住み続けるオーナーの気持ちとしては、
二つの建物が調和し、環境に即したものであることでした。
外装タイルや色、窓やバルコニーのラインなども含めこだわりを示されました。それがデザインのポイントとなりました。

敷地は目白駅から西に徒歩7分。山の手らしい閑静な住宅地にあります。

近くには「豊島区立目白の森」があり、ここは邸宅跡の貴重な大樹・緑地が保存され、
里山の雰囲気が味わえる森には野鳥の観察などで人々に親しまれています。
また、通り沿いには且つて建築家吉村順三氏が設計事務所として使っていた建物「吉村順三記念ギャラリー」があり、
この2ヶ所は現場の行き帰りの楽しみなスポットでした。

 

株式会社宮川憲司建築事務所 
宮川憲司

 

(担当若田雄一朗)
(撮影:エスエス東京)

 

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目白四丁目_外観東面
外観東面

 

目白四丁目_1F_エントランスホール夜景
1 階 エントランスホール夜景

 

目白四丁目_エントランス夜景
エントランス夜景

 

目白四丁目_風除室
風除室

 

目白四丁目_1F_石庭 ディテール
階 石庭ディティール

 

 

三井不動産レジデンシャル株式会社 キャンパステラス巣鴨

2020年06月

新型コロナ感染対策の新たな緩和ステージに入る今日6月1日は弊社の開設33年目を迎える日でもあります。
振り返りますと、創業した1988年はバブル期の後半に当たる時期になります。

その後バブル崩壊、阪神大震災、リーマンショック、東日本大震災と社会の大きな波と、また設計の情報化も後の方から追いかけながらも、順調に安定した設計活動が出来ましたことは、いままで苦楽を共にした多くのアソシエイツと設計仲間の弛まない研鑽と、まさに「一期一会」でめぐり合いました良き建築主の皆様に育てられたお陰であることは言うまでもありません。

人と仕事の繋がりの幸運に、あらためて心から感謝するしだいです。


この4月からの2ヵ月間の完全リモートワークを経験し、その良さと「隔靴掻痒」の感もあり、改善すべきことはこれからの設計活動の中で模索していかなければなりません。

 

3月の中旬コロナ騒動の真っ最中、男女共生の70室の学生寮が完成しました。

巣鴨周辺は今もなお、江戸明治の香りを残す人情厚い下町です。この地で様々な大学・専攻を学ぶ若者達がめぐり合い刺激しあい、人々と触れ合って多感な学生時代を過ごす姿を想うと胸が熱くなります。

寮生活のスタートが大変な時代に遭遇してしまいましたが、学生の皆さん、運営者、私達も含め、知恵をしぼりながら前へ進んで行ければと思っています。

 

株式会社宮川憲司建築事務所 
宮川憲司

 

(担当:服部創史)
(写真提供:(株)JSB様 )

 

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外観


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夜景


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食堂


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厨房カウンター


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共用廊下


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カフェコーナー


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スポットシェアマップ


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寮室