東郷神社 至誠館

7年ほど前から、東郷神社境内に十畳広間茶室と東郷元帥ゆかりの品を収蔵する小展示室からなる茶棟「至誠館」を計画、しばらく中断の時期も経て、昨年秋に完成に至りました。

日本海海戦を勝利に導いた東郷平八郎元帥をお祀りする東郷の杜は、若者や外国人観光客で賑わう原宿竹下通りに接しながらも静寂な都会のオアシスとして親しまれております。「至誠館」はその神社社殿の南に位置し、潜水艦殉国碑と新設茶庭を合わせて一体的に境内の新たな周景となるよう計画しました。

本神社は幾度か被災した経験があり、耐震性耐火性を重視し建物中央部に耐震壁を設け鉄骨造の大屋根は外周の鉄骨丸柱で支える鉄骨+RC造とし、堅ろうで且つ軽快なデザインとしました。

茶室は、寄付き・畳廊下・広間・水屋からなり、広間の襖を取り払うと大寄せの茶会や迎賓接遇、また結婚式等多様な使われ方が可能です。広間は北山杉面皮柱、床框は「ろいろ」漆塗り、書院一文字棚は赤松練付、天袋襖に名物裂「薩摩間道」、欄間は松形障子、襖紙は越前手すき、杉羽重ね竿縁天井と本格的数寄屋造を目指しました。日本海海戦を勝利に導いた東郷元帥に因んで、襖は江戸唐紙の「青海波」、玄関ガラス壁には「光琳大波」の和紙を組み込む等、「波」をモチーフにしています。

展示室は和室同様数寄屋造りの内装に、大判ガラスを用いたL型の展示ケースには、掛け軸や書、手紙等を展示の予定、又、立礼の小茶会にも利用可能です。
お祭の際は、展示室と潜水艦碑の前庭を一体にして活用することができます。

神門の軸線上に茶庭門を設け、外路地・枝折戸を経て、蹲踞・灯篭・飛び石路地・波のイメージの枯山水と、茶庭から茶室への導入変化を楽しむことができます。

この至誠館が、新しい東郷の杜の景色として、今後も永く親しまれることを心から願っております。

施工は大成建設、内装工事は水澤工務店、造園は岩城と数寄屋造の一流の職人の方々の手による作品となりました。

(担当:宮川憲司、石山和男、若田雄一郎)
(撮影:三輪晃久写真研究所)


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