焼き物佐賀の旅

2018年10月

この夏は、長崎から有田、伊万里、唐津と焼物の旅をしました。日本の磁器発祥の地である有田は陶郷の面影を残し、ひっそりと静かに佇む街道沿いの里でした。石蔵造りの小さな有田陶磁美術館で繊細華麗な色彩と染付のモダンな文様に目を奪われ、その歴史と作品の変遷に興味が高まりました。

秀吉の朝鮮出兵のおり鍋島藩が連れ帰った陶工が、有田近郊に白磁鉱を発見し初めて磁器の焼成に成功、有田では独特の色絵技法が開発されました。
折しも陶磁器で世界に君臨していた中国が動乱となり、オランダ東インド会社は欧州向けの磁器を有田に求めるようになり、柿右衛門様式の製品が伊万里港から世界へ大量に輸出されたことから有田焼は「伊万里焼」とよばれ、西欧ではマイセン窯に強い影響を与えました。

やがて華々しい輸出も100年ほどで衰退し国内に販路を求め北前船で大阪や北陸へ大名や豪商相手の名品として、また江戸後期には庶民の食器として大量に生産されたそうです。これらが初期伊万里及び古伊万里と呼ばれています。

武雄温泉泊し、有田から伊万里まで馬車で運んだと言う道のりを電車で30分、深い入江の伊万里港は今やまったく面影はなく寂しさを感じました。
タクシーにて鍋島藩の秘窯の里「大川内山」へ向かう、300余年続く窯元の主人の話や、現在の伊万里焼きを見て歩き楽しみました。

夕方伊万里駅からバスで唐津へ。ここでは明治の炭鉱主高取家の屋敷や唐津出身の建築家辰野金吾設計の唐津銀行を見学。辰野の英語教師が高橋是清との話も聞き、維新の唐津のダイナミズムに感動。最後に唐津焼の中里太郎右衛門の陶房を訪ね、土ものの静かなる迫力を大いに感じました。埼玉から来た修行中の若者とも出会い、現代に続く器の文化の広さと深さに少し触れた旅となりました。


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有田陶磁美術館

 

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伊万里大川内山30数軒の窯元の里

 

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今に残る大川内山の登り窯
 

 

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唐津銀行
 

 

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唐津銀行内部

 


 
 

 


 

 

 


 

 

GMT社屋

2018年01月

代々木上原にGMT社屋が昨年10月に完成。

GMT社は、かつてスペインのブランド靴「カンペール」を日本に紹介し、一躍日本にカンペールブームを巻き起こした、紳士婦人靴のブランドプロジュース&製作販売をする会社です。

各デパート、ブテイック他、銀座、表参道、大阪、シンガポール、ハワイ等に直営店舗を展開し、更に、顧客の為の靴の修理工房も持つ、靴文化を真正面にとらえた意欲的なオーナーと靴作りにこだわりを持つ若きスタッフに支えられた会社です。

この建物は、靴のストックと商品管理の為の社屋です。代々木上原の住宅地の周辺環境を考慮し、地下1階地上3階に抑え、まさにコンサートホールのシューボックスのごとく、長方体のボックスはストック及び事務作業が常にエクステンションできる可変性を持たせ、縦動線は人荷エレベーターとし階段を外に出すことにより、躍動性を感じるカンパニーのファサードとなりました。

(担当者:宮川憲司 服部創史)
(撮影:エスエス東京)


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GMT_02_外観南面

 

GMT_03_外観南東面
 
 

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GMT_05_外観北西面

 


GMT_06_3階事務室

 

東郷神社 至誠館

2018年01月

7年ほど前から、東郷神社境内に十畳広間茶室と東郷元帥ゆかりの品を収蔵する小展示室からなる茶棟「至誠館」を計画、しばらく中断の時期も経て、昨年秋に完成に至りました。

日本海海戦を勝利に導いた東郷平八郎元帥をお祀りする東郷の杜は、若者や外国人観光客で賑わう原宿竹下通りに接しながらも静寂な都会のオアシスとして親しまれております。「至誠館」はその神社社殿の南に位置し、潜水艦殉国碑と新設茶庭を合わせて一体的に境内の新たな周景となるよう計画しました。

本神社は幾度か被災した経験があり、耐震性耐火性を重視し建物中央部に耐震壁を設け鉄骨造の大屋根は外周の鉄骨丸柱で支える鉄骨+RC造とし、堅ろうで且つ軽快なデザインとしました。

茶室は、寄付き・畳廊下・広間・水屋からなり、広間の襖を取り払うと大寄せの茶会や迎賓接遇、また結婚式等多様な使われ方が可能です。広間は北山杉面皮柱、床框は「ろいろ」漆塗り、書院一文字棚は赤松練付、天袋襖に名物裂「薩摩間道」、欄間は松形障子、襖紙は越前手すき、杉羽重ね竿縁天井と本格的数寄屋造を目指しました。日本海海戦を勝利に導いた東郷元帥に因んで、襖は江戸唐紙の「青海波」、玄関ガラス壁には「光琳大波」の和紙を組み込む等、「波」をモチーフにしています。

展示室は和室同様数寄屋造りの内装に、大判ガラスを用いたL型の展示ケースには、掛け軸や書、手紙等を展示の予定、又、立礼の小茶会にも利用可能です。
お祭の際は、展示室と潜水艦碑の前庭を一体にして活用することができます。

神門の軸線上に茶庭門を設け、外路地・枝折戸を経て、蹲踞・灯篭・飛び石路地・波のイメージの枯山水と、茶庭から茶室への導入変化を楽しむことができます。

この至誠館が、新しい東郷の杜の景色として、今後も永く親しまれることを心から願っております。

施工は大成建設、内装工事は水澤工務店、造園は岩城と数寄屋造の一流の職人の方々の手による作品となりました。

(担当:宮川憲司、石山和男、若田雄一郎)
(撮影:三輪晃久写真研究所)


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至誠館_7


 

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谷保の家の5月

2017年05月

玄関のイングリッシュローズ、
庭の守り神たちとメダカとエビネ、
シャラにツバキ、2階の草花と、
小さな中庭に今年も緑いっぱいに春が舞い込みました

 

1705colum_玄関

 

1705colum_メダカ

 

1705colum_カエル

 

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1705colum_テラス


1705colum_テーブル

 

 

表参道通い道

2017年03月

この1月末にGM表参道が完成しました。
表参道は今もっとも注目されるハイセンスな街として、
若い人々に人気のスポットです。

計画地は骨董通りと六本木通りを結ぶ道で、
青山学院のキャンパスに対面しています。
表参道や青山通りの華やかな地域から少し離れ、
外国人が多く住むマンションや洋館、
それらを生かしたガーデンレストラン等が静かに佇むエリアです。

グランドメゾンは、
歴史漂う環境の優れた場所にこだわって計画される
積水ハウスのマンションブランドですが、
私達にとっては5棟目の計画になります。

敷地が東西に3mの高低差がある道路に接することを活かし、
人と、車やサービスの動線を分離し、
形態的にはバルコニーをマッシブに表現し周辺とのバランスをとりました。
最上階は1住戸のスケルトンインフィルとして分譲、
自由設計が可能なペントハウスとして計画されています。

明るく華やかで知的で歴史も佇む表参道に計画設計監理に通った2年あまり、
とても刺激的で楽しい通い道でありました。

(担当者:服部創史・政永幹史)




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