落水荘

2014年10月

学生時代バイト先で、色鉛筆で描かれた一枚の透視図が差出され
「このライトのタッチで描くように」と、それは色の上に色を重ね
た独特のスケッチ画で、思わず目を見張った。
 

フランク・ロイド・ライトの「落水荘Fallingwater」を初めて知
る時でした。その後30代に北米を建築行脚した折、ライト作品を
片っ端から訪ねたものの、落水荘は行き方がわからず断念、、、
そのことを永く悔やんでいました。

思い立って、この9月「落水荘」へ一目会いに行きました。
ピッツバーグから南東約100キロ自然保護地区ミルラン。
初老の黒人運転手さんに1日お付き合い願い、4時起床8時半の案内開始に朝もやの森を車で向かいました。

実業家カウフマン氏の別荘として1936年ライト69才の作品、
それは、森深く小さな渓流の岩肌の上に建つ。
ライト曰く「森と小川とすべての建物の要素が静かに調和し共鳴している」と。
夫妻が今も住んでいるかのような佇まい。天井を低く抑え無柱。
細いスチールの赤窓枠越しに森の緑が一面に広がる。
渓流の岩がそのまま居間の炉床になって、壁にはライトが薦めたであろう広重
の浮世絵が。台所や書斎、ゲストルームは小間ながら知的で暖かい
色彩と素材に緑景が染みる。小気味よく空間が連続する、心が躍る。
建物の足元に流れる滝、水と鳥と木葉の風の音のみが私達を包む。

「来てよかった」

帰り道、彼の最後の作品となった「山荘Kentuck Knob1954年」
に立ち寄り、ホテルに着いたときは、すでに黄昏になっていました。

 


 

落水荘1


落水荘2
 

落水荘3
 

居間1
 

居間2


キッチン


ゲストルームへの渡り