代沢三丁目計画(グランドメゾン代沢三丁目) 2021年1月竣工
計画地「代沢三丁目」は、嘗て総理大臣を務めた佐藤栄作氏や竹下登氏等大物政治家が好んで住んだ、知る人ぞ知る住宅地です。
話しはそれますが、
思い起こせば、私の最初の住宅設計はこの「代沢三丁目」でした。当時は第三次佐藤内閣の終焉の時期1972年、
現役総理の家が同じ通りだったことを記憶しています。
知人の紹介のその施主はダムの制御装置を設計製作する会社経営者で、仕事柄先進的に省エネや断熱性を重んじる方で、
「サームコン」という気泡コンクリートを使って設計してほしいと依頼されました。
私はまだ設計事務所に勤めて3年ほどの時期、仕事を終えてからの深夜の格闘の日々が懐かしく思い出されます。
あれから50年近く残念ながらその建物は現存していませんが、今回の計画地は程近く、
昔ながらの屋敷森と、それらの跡地にマンション化された建物が混在しながらも、比較的
ゆったりとたたずむ閑静な趣は変わりません。
計画は東西南北4分割し120㎡の広さの角住戸のみの独立性の高い住戸配置としました。
地下1階も同様大型住戸とし、3方を緑豊かな木立のあるドライエリアで囲み閉塞感をなくし、
地下住戸と思えない住環境を作ることができました。
マンション化が進んだこの代沢三丁目、本来の邸宅環境を受け継ぐことを意識し、
グランドメゾンのブランドにふさわしく、自然石や季節を彩る木々の潤いに包まれながら、
スケール感を抑え分節化し、表情・肌ざわりを意識した素材で全体を創り上げました。
(担当:服部創史)
(撮影:エスエス東京、宮川)
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居間
主寝室
3階居間からの風景